住宅着工棟数は、もう2度と100万棟以上に回復することは無い。エコノミストの方たちは、そうまくし立てます。
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上のグラフが示すように、平成18年度までは120万棟前後だった年間着工棟数が19,20年度は約100万棟、21年度はわずか80万棟弱まで落ち込んでしまいました。

平成19年度は建築基準法改正の政府の不手際による混乱による着工棟数の大幅減少。
20,21年度はリーマンショックによる世界同時不況による着工棟数の大幅減少。
これらによる着工棟数の減少が、今住宅業界を直撃しています。

これらの影響だけではなく、少子化の進行。住宅ストックの蓄積。エコノミストの方が悲観論を並べるのはもっともなことです。

ですが、過去数十年に渡って120万棟以上だった着工棟数がそんなに簡単に減るものでしょうか?
たぶん減らないと思います。私は必ず100万棟は近々回復すると思っています。

120万棟以上は難しいにしても、年間100万棟はそう簡単に割り込まないと思います。

住宅ストックの過剰感は確かにあり、今後住宅市場が新築からリフォームに転換していくことは確かですが、新築住宅の需要はそう簡単には減らないはずです。
どんなに良質な中古住宅のストックが大量にあっても、日本人は本質的に新品を好みます。国民の多くがピカピカの車に乗っているのは世界中で日本とドバイくらいでしょうw
そして、金融、融資面でも新築住宅中心の考え方は根強く残っています。たとえば中古住宅の建物の資産価値は日本ではいまだにゼロです。
つまり欧米の住宅に対する考え方とは根本的に違うのです。

中古住宅をリフォームしようと思っても、金融機関は融資してくれませんし、大幅なリフォームをするくらいなら新築を建ててもたいして費用が変わらない国なのです。日本という国は。

100年住宅、200年住宅と国は政策的に長期の使用に耐えうる住宅の推進を進めています。
しかし、車の耐用年数が20年有っても、3年~5年で乗り換える人が多いように、住宅の寿命も、建物の耐用年数では無い部分に左右されることの方が多いのです。

そして不思議なことに、工業化住宅ほどその傾向が強いです。
この業界に居ると、わずか5年、10年で家を建て替える方が意外と多数いらっしゃいます。そして、その多くが大手住宅メーカーの工業化住宅に住まわれている方です。
もちろん、大手住宅メーカーの建物ですから5年や10年で耐用年数がくるような建物ではありません。
理由を伺うと、家族構成が変わったとか、その家に飽きたとか、理由は様々ですが、たいした理由もなく建て替える事が多いです。

国民性を理解せずに、着工棟数の大幅な減少傾向を説明しても、おそらくは的外れな論評でしか無いのではないでしょうか?
この不況感から抜け出せば、必ず着工棟数は大きく回復します。反動も少なからず有るはずです。

この3年間で新築需要が、およそ50万棟程度潜在化していると思われます。この潜在化された需要は必ずどこかで噴き出します。
住宅は、日本人にとって大きな夢であり、将来設計の大目標でもあります。数年程度の経済の変化で大きな流れの変化は起きにくいのでは無いでしょうか?

ところで、平成18年度の住宅着工の大幅減少は国交省の役人の不手際が原因の人災です。(いわゆる建築基準法改正のごたごた)
わずか一握りの官僚の不手際が原因で、おそらく数兆円規模の需要が失われました。もちろん多くの失業者を出しました。これが会社なら担当者は当然クビです。
でもその当時の責任者は立派に天下りされています。本当に平和な国です。